病院での花見
母が入院した病院は、すぐ近くに大きな公園があり、サクラがたくさんあります。母は4階に入院したのですが、最上階の6階と5階に行くと、おそらく1キロ以上はあると思われる見事な桜並木がすぐ近くに見られます。
3月6日に入院した母ですが、最初は、まったく動けませんでしたが、症状も良くなり、なによりこのままでは寝たっきりになってしまうと思い、足の訓練を兼ねての車椅子での病院内散歩に毎日精を出してきました。
6階は花見のポイントとしては最高なので、まずは真っ直ぐ直行して花見。最初に行った中旬は、当然サクラはまったく開花していませんでしたが、東京の公式開花日22日には、ここのサクラも同様開花していました。
6階が一番景色が良いのですが、手摺りがないことと、窓が開かないので、直ぐ5階に移動。ここで、窓をちょっと開けると、直ぐ新鮮な空気が入ってきて、それを母は深呼吸して吸い込み、気持ちが良いと大喜び。病室は暖かくて良いのですが、基本的には窓は開けていませんので、いつも蒸し暑い感じなんです。新鮮な空気を吸い終わったら、立つ練習です。車椅子を壁に直角に着けて、手摺りに捉まり、補助しながらの足の運動です。最初の内は尿の管とドレナージの管2本が出ていますので、それに神経を使いながらの運動です。
これを毎日やったのです。その間、サクラはどんどん開花していきます。29日30日辺りが満開でした。退院した4日にはかなり散っていました。
「こんなに毎日連続して、サクラを開花から散るまでを見続けたのは始めてだよ。」と母が言ってましたが、私も同様でした。満開を迎えた頃は、1階まで降り、病院玄関から20m程先にあるサクラ並木を何度か見ました。
今回の花見は私の人生でもっとも印象に残るものでした。
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コメント
摩周さん
退院おめでとうございました。本当に大変でしたね。良い息子さんんを持ってお母様は幸せですね。
いずれ鳥見にも復帰されるのでしょうから、詳しいお話はその時に伺います。当面はお母様も摩周さんもゆっくり静養してください。
投稿: ラフェット多摩 | 2008年4月10日 (木) 21:44
摩周さんの大変さがひしひしと伝わってきます。
しかし大変な中にも親子の絆の確かさ、ほっとする優しさがうかがわれます。
桜を親子で開花から終わりまで見られるなんて、こんなときしかできないものです。
悪いことばかりではない。
何かひとつくらいは心にしみるいいことがあるもの。
読みながらそんなことを考えました。
お母様の1日も早い回復をお祈りしております。
摩周さん、がんば。
投稿: asitano_kaze | 2008年4月10日 (木) 23:34
ラフェット多摩さん
お陰様で、何とか退院しました。
病院でのリハビリを真似して、私も家でやっていますが、簡単に効果が出るわけでもないので大変です。
私は、体力的にはまったく問題ないのですが、精神的にはかなり疲れます。
現状の私は、出かけられても月曜か金曜しか無理ですので、お会いするのも当分無理かも(T.T)。
投稿: 摩周 | 2008年4月11日 (金) 18:53
asitano_kazeさん
私は、かなり無粋な人間ですが、毎日サクラを見ていると、日本人のサクラ好きが何となく分かります。母とじっくりサクラを見る、この年をしてからこんな経験するなんて思いもしませんでした。
今日、退院後初めての検診があったのですが、特に異常がなく、次回は2週間後となりました。
今現在、我が家の最大の問題は、通院の際の、家の出入りをどのようにすれば一番お互いが楽かです。まだ、試行錯誤状態です(^^)。
投稿: 摩周 | 2008年4月11日 (金) 19:14